静かに願う

ふと思い出す。

ずーんと重い、あの頃を…。

…外から社会の音がする――

「おはようございますー」

『寒いですねー…あー!走らないで!』

(子供の奇声が響く)

「うふふ。いってらっしゃいねー」

『ふふ…(笑)すいませーん』ガヤガヤ…

――《…あー、寒っ。》

私はストロング酎ハイ片手に、片足立てて。

見もしないテレビをつけ、ただただボーッとしている。

8畳1Rの部屋の隅が、なんとも心地いい。

《朝…ああ、いいな。私も外…出たい…》

睡眠導入剤に手を伸ばす。

外に出たところで、することがない。

お金もない。友達もいない。仕事なんか出来ない。

《このアルコール臭漂うクッサイ部屋で…

まだ28才。何してんだ…いつからこんな……。》

しばらくすると、外は静か。

皆それぞれの “社会の居場所” に出払ったよう。

―シャーッ…ゴンッ。ゴツン――

玄関に当たる、ほうきの音と水を撒く音。

《お疲れ様です…》

心の中で言ってみる。

時計を見ると、9:30。

《あー、眠くなってきた…》

《私の人生。誰かにあげたい。

もったいない。この若いからだ……》

《長ーい眠りに…つけますように…》

朝から幸せな闇へ。

行ってきます

―――。

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