父がこの世を去った歳に、私も近付いてる。
知らせを聞いたときは、信じられなかった。
でも、電話越しの母の様子から…信じざるを得なかった。
離れて暮らしていた為、皆で急いで向かう。
―見たくなかった。
顔を見た瞬間、息が出来なかった。悲しすぎる。
母も兄も泣いていた。
見たこと無いほど、号泣していた。
私は…泣けなかった。
しばらくは「あんたは薄情だよね。信じられない」と言われてた。
…泣けないんだよ。悲しくない訳がない。
とにかく、胸の奥から深く息を吐くことしか出来なかった。
《なんで……なんで………》
その言葉が渦巻くばかり。
広すぎる空に《このまま私も吸い込んでくんねーかな…》とか、よく思ってた。
“ぽっかりと胸に穴が空いたよう”
本当に、この表現通り。
苦しくて…でもすり抜けてって…。
居ないんだよ。もう。
…何を感じてたんだろう。
どんな毎日を過ごしてたんだろう。
甘えさせてほしかったな。
娘にも会ってほしかったな。
…生きていたんだよね。
早すぎて。一緒の時間が無さすぎて。
祖母と母が、よく言っていた。
「お父さんもよく悩んでた。繊細だった」と。
あー……そうだったのね。
確かに生きるの、辛すぎた。
でもそれなら…仕方ないか。
《私もここまで生きてきたんだなぁ…》
ときどき、なんとも言えない気持ちになる。


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