独りと一人

ッカーン…!ジリジリ…

《アッツ…おいおい、いま冬だろ…》

久しぶりに、この時間に外に出た。

いつもは日が暮れた時間にしか家から出ない。

《13:00って…こんなに暑かったっけ…》

昼は明るいから出たくない。

眩しければ眩しいほど、なぜか悲しくなってくる。

バスに乗って、作業所から戻ってきた。

私は一人、作業に使う荷物を持って日陰を歩く。

人通りの無い道を、車が通る。

ちょっと嬉しい。

この時だけは、人の気配を感じたい。

《…仕事だもんね。みんな…》

サーッと車が通りすぎる。

私はまた、一人。

《…ここは本当に外なのか?人…住んでるよね?》

集合住宅の横を通る。

人はもちろん、猫も車も…

誰もいない。

耳鳴りがしそうなほど、静まり返っている。

《…私、人を遠ざける何かを持ってんのかな…》

コンビニに寄る。

店員さんは、忙しそう。

誰とも目が合わない。

…私、いるよね?見えてるよね?

レジの募金箱に、ピカピカの十円玉を入れる。

《ほら、綺麗な十円玉だよ。どうぞ。》

いつもは選ばない綺麗な硬貨を入れることで、

ささやかに自分を満たす。

買い物袋を腕にかけ、ひたすら歩く。

車は通る。たくさん。

《なんだろう…この疎外感…》

陽の光が眩しい。

まるで、“あんたは孤独なの!!”と

スポットライトを当てられてるよう…。

―家に着いた。

誰もいない。娘は学校。

《はーーっ……》みるみる元気が漲ってくる。

一人なのに、孤独じゃない。

《私…生まれ変わったら…守り神になりたいな》

家に守られてるようで、ふと。

そう思ってしまった。

《…なに考えてんだろ…》

クスッと一人で笑う。

買ってきた食材を手に取り、冷蔵庫を開ける。

…ヒヤッと、冷気が心地いい。

《卵でーす。お願いしまーす♪》

ああ……一人、最っ高。

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